イスラム主義勢力タリバンが実権を握るアフガニスタンの首都カブールで11日に爆発があり、暫定政権で難民担当相を務めていたハリル・ラフマン・ハッカーニ幹部らが殺害された。タリバンと敵対する過激派組織「イスラム国」(IS)が12日までに系列のアマク通信を通じて犯行声明を出した。
爆発は11日午後に難民省の役所内で発生した。アフガニスタンでは、役所に入る際に身体や荷物の検査があるが、治安当局者によると、実行犯の男は腕などに巻いた包帯の中に爆発物を仕込み、ハリル氏に接近して自爆したとの情報があるという。
タリバン報道官のムジャヒド幹部はISによる犯行声明に先立ち、「卑劣な攻撃だ」としてISを非難する声明を発表した。治安の回復を成果にあげていたタリバンにとって、主要閣僚の殺害は大きな痛手となった。
ハリル氏は、タリバン内で強硬派として知られるハッカニー派の主要メンバー。内相を務めるシラジュディン・ハッカーニ幹部のおじに当たる。米政府は「特別指定国際テロリスト」として指名手配していた。